QBEハウスは、防災テクニックを覚えるための施設としてだけでなく、災害時には近所の人の避難場所にすることも考えている。そのため、炊事場には薪ストーブやかまどなどの道具がずらり。水は200年前から岩井家にあるという、井戸から汲むことができる。濁りがなく、味は実にマイルドで美味しい。また、避難生活にマストのトイレは、教え子たちの協力によって自作。水道が出なくても、井戸の水で流せる水洗式となっている。

人間が1日に必要とする水の量は、なんと3ℓ。インフラが止まってしまうと、水の確保は容易ではない。ペットボトルのミネラルウォーターを常備していればいいのだが、ない場合はまさに雨水さえすすらなければならない。そんな時のために覚えておきたいのが、自作の浄水器。2ℓのペットボトルの底をカットし、そこにティッシュペーパー、小砂利、炭、小砂利、ティッシュの順で5層に重ねて、小さい穴を開けたキャップをする。これで自作浄水器の完成だ。

災害時の時にガスが止まってしまうのは、3･11の時に経験した人もいるだろう。緊急時のために、ガスボンベなどを多めに用意しておきたいが、やはり火おこしもできるようになっておきたい。薪を常備できればベストだが、ない場合は瓦礫の中の木材を使おう。木材は着火用の細かい物と、燃焼用の太い物を用意。新聞紙の上に着火用の木、ほぐした麻ひも（着火剤）の順で載せて、ファイヤースターターなどを使って着火する。細い木が十分に燃えて炭化し始めたら、太い木を載せて燃やすと効率がいい。